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創業融資の審査では、書類の提出後に担当者との面談があります。
面談で聞かれるのは、提出した創業計画書の中身です。特別な質問が出るわけではありません。
それでも評価を落とす人が出るのは、計画書の数字を自分の言葉で説明できないためです。
この記事では、日本政策金融公庫の創業融資を前提に、面談で聞かれる質問と答え方、評価を落としやすいパターン、当日までの準備を整理します。
あわせて、税理士が面談に同席する価値と、同席できない場合の備え方も解説します。
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面談は、書類審査とは別の試験ではありません。提出した書類の内容を、本人の口から確認する場です。
公庫は創業予定者向けの手続き案内で、面談について次のように示しています。
| 項目 | 公庫の案内 |
|---|---|
| 聞かれる内容 | 資金の使いみちや事業計画など |
| 準備するもの | 事業計画に関連する資料、資産・負債がわかる書類など |
| 現地確認 | 店舗や事業所の予定地を訪問 |
| 審査 | 事業計画などをさまざまな角度から検討し、融資を判断 |
| 面談方法 | オンラインでの面談にも対応 |
質問は多岐にわたりますが、確認の軸は次の3つに集約できます。
1つ目は計画の実現性です。売上や経費の数字に根拠があるか、経験や準備が計画に見合っているかを見られます。
2つ目は返済の見通しです。利益から毎月の返済額を無理なく払えるか、売上が計画を下回った場合にどう対応するかが問われます。
3つ目は経営者本人の理解度です。計画書を自分で理解し、自分の言葉で説明できるかどうかです。ここが弱いと、数字が整っていても計画全体の信頼性が下がります。
所要時間は公庫から公表されていません。実務上は1時間前後を見込んでおくと安心です。
進み方は、創業計画書の項目に沿って順に確認していく形が一般的です。和やかな雰囲気で進むこともありますが、やり取りはすべて審査の材料になります。
質問の大半は、創業計画書の記入欄に対応しています。項目ごとに整理すると次のとおりです。
| 創業計画書の項目 | よく聞かれる質問 | 答え方の要点 |
|---|---|---|
| 創業の動機 | なぜこの事業を、今始めるのですか | きっかけ、準備期間、時期の理由を順に話す |
| 経営者の略歴等 | これまでの経験は事業にどう活きますか | 担当業務と実績を数字で示す |
| 取扱商品・サービス | 競合と比べた強みは何ですか | 対象顧客と選ばれる理由をセットで話す |
| 取引先・取引関係等 | 販売先や仕入先は決まっていますか | 決定済みと交渉中を分けて答える |
| お借入の状況 | 個人の借入はありますか | 残高と月々の返済額を正確に答える |
| 必要な資金と調達方法 | 自己資金はどのように貯めましたか | 通帳で経緯を示す |
| 事業の見通し | 売上の根拠は何ですか | 計算式と前提の数字を説明する |
動機と経歴は別々の質問として聞かれますが、答えは1つの流れにまとめます。
前職で何を担当し、何を身につけ、その経験を事業にどう使うのか。この順で話すと、計画的な創業であることが伝わります。
未経験の業種で創業する場合は、経験の不足をどう補うかを準備してください。経験者の採用、研修の受講、開業前の勤務経験などが材料になります。
面談で最も時間が割かれるのが、売上の根拠です。
「月商100万円を見込んでいます」だけでは答えになりません。客単価、客数、営業日数など、売上を構成する数字に分解して説明します。
それぞれの数字の出どころも聞かれます。前職での実績、周辺の競合店の調査、見込み客の数など、根拠となる事実を用意してください。
売上の計算式
| 月の売上 | 客単価 × 1日の客数 × 営業日数 |
|---|
自己資金は、金額だけでなく貯めた経緯を確認されます。
毎月の給与から積み立ててきた資金は、通帳の履歴で説明できます。直前にまとまった入金がある場合は、その出どころを聞かれます。
親族からの支援や資産の売却であれば、その事実を示す資料を用意します。
出どころを説明できない資金は、自己資金として評価されにくくなります。自己資金が少ない場合の考え方は、創業融資は自己資金なしで受けられる?融資を受ける際のポイントを紹介で解説しています。
住宅ローン、自動車ローン、カードローンなど、個人の借入も確認の対象です。
申告していない借入は、信用情報の照会で判明することがあります。
金額の大小より、申告漏れそのものが信頼を損ないます。残高と月々の返済額を事前に確認し、正確に答えてください。
面談で不利になる原因は、話し方の上手下手ではありません。多くは準備の不足です。
計画書には月商120万円と書いたのに、面談では「100万円くらい」と答えてしまう。こうしたずれは、計画を把握していない印象につながります。
面談前に計画書を読み込み、主要な数字は資料を見ずに言える状態にしておきます。
「同業者がそのくらいだと聞いたので」という説明では、根拠になりません。
売上、原価率、人件費、家賃のそれぞれについて、なぜその数字なのかを一言で答えられるようにします。
手元の現金を面談の直前に口座へ入金しても、貯めた経緯は証明できません。
自己資金は、時間をかけて通帳に積み上げた履歴が評価されます。創業を決めた時点から、資金は口座で管理してください。
少額のカードローンや分割払いも、借入として確認されます。
忘れていた借入が後から判明すると、他の説明まで疑われます。面談前に、契約中のローンをすべて洗い出します。
専門家に計画書の作成を手伝ってもらうこと自体は問題ありません。問題になるのは、中身を本人が説明できない場合です。
完成した計画書は、数字の意味と計算の過程まで必ず自分で確認します。
準備は、資料をそろえることと、説明の練習をすることの2つです。
面談の日程が決まると、公庫から持参資料の案内があります。内容は申込者の状況によって変わるため、案内を必ず確認してください。
求められることが多い資料は次のとおりです。
申込時に提出する書類は、日本政策金融公庫の創業融資に必要な書類は?個人・法人別に解説で整理しています。
想定問答は、頭の中で考えるだけでは足りません。声に出すと、説明に詰まる箇所がはっきりします。
創業計画書の項目ごとに、質問と回答を書き出します。家族や知人に質問役を頼み、1問あたり1分以内で答える練習をします。
第三者に伝わらない説明は、担当者にも伝わりません。
「売上が計画の7割にとどまった場合はどうしますか」
この質問には、事前の準備がないと答えられません。
削減できる経費、追加の販売策、運転資金の余裕など、具体的な対応を決めておきます。下振れを想定していること自体が、計画の信頼性を高めます。
服装に決まりはありませんが、清潔感のある服装が無難です。迷う場合はスーツか、それに準じた服装を選びます。
対面の場合は、約束の時間に余裕を持って到着します。オンライン面談の場合は、通信環境と資料の手元準備を前日までに確認します。計画書と通帳は、すぐ開ける状態にしておきます。
面談に専門家が同席すると、何が変わるのかを整理します。
面談は、申込者本人が受けるのが原則です。税理士などの専門家が同席できるかどうかは、支店や担当者の判断によります。
同席を希望する場合は、日程調整の段階で公庫に確認してください。
同席が認められた場合でも、質問に答えるのは本人です。税理士が代わりに事業を説明することはできません。
収支計画の計算過程や、借入の返済計画など、数字の細部を聞かれる場面があります。
本人が大枠を答え、税理士が計算の前提を補足する。この分担ができると、数字の説明に食い違いが生じません。
面談では、緊張から強みや準備の状況を伝えきれないことがあります。
同席する税理士は、計画書の内容を把握しています。伝え漏れがあれば、その場で本人に補足を促せるため、計画の内容が正しく伝わります。
面談後に、追加の資料や数字の修正を求められる場合があります。
面談のやり取りを税理士が直接聞いていれば、何を求められているかを正確に把握できます。資料の作成と提出が早く進みます。
同席の価値の多くは、実は面談の前にあります。
計画書をもとに税理士が質問役となり、想定問答を繰り返す。この準備をしていれば、1人で面談に臨む場合でも、数字の質問に落ち着いて答えられます。
税理士に依頼するメリットの全体像は、創業融資に税理士は必要?依頼するメリットと申込から実行までの流れで解説しています。
創業融資の面談は、創業計画書の内容を本人の口から確認する場です。
確認の軸は、計画の実現性、返済の見通し、経営者本人の理解度の3つです。
質問の大半は計画書の項目に対応しています。なかでも売上の根拠、自己資金の経緯、借入の状況は、ほぼ確実に確認されます。
評価を落とす原因は、計画書と口頭の数字の食い違い、根拠を説明できないこと、申告漏れなど、準備の不足にあります。
持参資料をそろえ、想定問答を声に出して練習してください。
税理士の同席は、支店や担当者の判断によります。同席できる場合は数字の補足や追加依頼への対応で、同席できない場合も事前の想定問答で、面談の精度が上がります。
千代田税理士法人では、申請前の想定問答から、審査面談への同行(公庫の了承が得られた場合)まで対応しています。初回のご相談は無料です。面談に不安がある方は、お気軽にご相談ください。
通常は1回です。ただし面談後に、追加資料の提出や電話での確認を求められる場合があります。
依頼があった場合は、早めに対応してください。
服装の決まりはありません。清潔感のある服装であれば問題ありません。
迷う場合は、スーツかそれに準じた服装を選ぶと無難です。
聞かれる内容は同じです。公庫はオンラインでの面談にも対応しています。
通信環境を事前に確認し、計画書や通帳などの資料をすぐ示せるよう手元に準備してください。
支店や担当者の判断によります。希望する場合は、日程調整の際に公庫へ確認してください。
同席が認められた場合も、質問に答えるのは申込者本人です。
その場で取り繕わないことが大切です。確認のうえ後日回答すると伝え、早めに正確な内容を連絡してください。
あいまいな回答は、他の説明の信頼性も下げます。