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「創業に向けた準備はいつから始めたらいい?」「創業に必要な準備は何をすればいい?」創業を考えている方の中には、このような疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。
会社を創業する際は、創業1年前から創業後まで準備や手続きすべきことが多数あります。スケジュールを確認して、漏れなく着実に準備していくことが大切です。
本記事では、創業に向けて必要な準備が進められるよう創業前後カレンダーをご紹介します。会社の設立を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
創業までにはさまざまな準備が必要です。まずは大まかな流れを確認しておきましょう。
会社を設立する際は、まず会社概要を決めます。会社の基本情報は定款にも記載が必要です。株式会社を設立する場合は、主に以下のような項目を決めておきましょう。
この中の資本金ですが、基本的には初期投資額に加え、3〜6か月の運転資金を目安として決めるのが一般的です。現在の会社法では資本金の下限がないため、極端にいえば1円でも可能ですが、資本金は会社の信用に関わります。少なすぎると融資が受けにくくなる場合があるため、注意しましょう。
法務局に設立登記の申請をする際、実印が必要です。商号が決まったら、会社の実印を作成しておきましょう。ただし、2021年2月15日より登記の申請をオンラインでおこなう場合、印鑑の届け出は任意です。
会社設立後は実印や印鑑証明書の提出が必要になる場面も多いため、設立準備のタイミングで実印や銀行印、角印、ゴム印などを作成しておくとよいでしょう。
株式会社を設立するには定款を作成し、本店の所在地にある公証役場で公証人の認証を受ける必要があります。定款には会社概要の内容を記載しますが、中でも次の5項目は「絶対的記載事項」です。
絶対的記載事項が漏れていると定款が無効になります。また、原則として認証後の定款変更は認められないため、十分に確認して誤りや漏れがないように注意しましょう。
定款の認証が済めば、資本金を払込みます。この段階ではまだ会社が設立されていないため、法人口座は作成できません。発起人の個人口座に振り込みます。
発起人が複数人いる場合は、代表となる発起人総代の口座へそれぞれが振込をおこないます。発起人総代も自分の口座へ資本金を払込む際は、預け入れではなく振り込むようにしましょう。発起人が1人の場合は預け入れでも構いません。
登記申請をする際に、資本金の振り込みを証明する書類が必要になります。払込みが完了したら、通帳の表紙と1ページ目、振込記録のあるページをコピーしておきましょう。
資本金の払込みが完了したら、法務局に設立登記を申請します。登記申請書を作成し、必要書類を添付して提出します。設立登記には主に以下の書類が必要です。
原則として、設立登記申請書を法務局へ提出した日が設立日になります。登記申請は自力でも可能ですが、司法書士に依頼するのが一般的です。
創業1年前〜創業直後まで、創業前後にはやるべきことが多数あります。いつ何をすべきか分かるように、創業前後カレンダーを活用しましょう。
創業1年前から半年前にやるべきこと、準備を始めたいことは次の通りです。
創業するにあたり、どのような会社にするのか事業の方向性やビジョンを明確にしましょう。これらは会社の軸になることなので、明確にしておかなければあとでブレてしまいます。創業1年前には定めておきましょう。
会社を設立する場合、事業内容によっては許認可が必要です。許認可事業であるにもかかわらず、許認可を取得せずに事業をおこなうと無許可営業になり、罰則を受けることになります。
許認可が必要な事業は建設業、不動産業、飲食業、宿泊業、人材紹介業など多岐に渡ります。許認可の種類は「届出」「登録」「認可」「許可」「免許」の5種類があり、窓口や必要な要件が異なります。
一般的に許認可申請は設立登記が完了してからおこないますが、定款には事業目的の記載が必要です。そのため、創業準備の段階から、資格や許認可が必要か確認しておく必要があります。手続きしてから取得までに時間がかかる許認可もあるため、余裕を持って準備を始めましょう。
事業を始める際は、信頼できる取引先や仕入れ先を見つける必要があります。まずは仕入れが必要な資材の仕様や価格、数量などを具体的に考えましょう。次にインターネットで検索したり、見本市や展示会に足を運んだりして、仕入れ先の候補を探します。インターネットで気になる仕入れ先が見つかれば、パンフレットなどを取り寄せましょう。
定款には本店所在地の記載が必要です。賃貸オフィスの契約は、審査に時間がかかることがあるため、早い時期からオフィスや店舗をどこに構えるか決めて、物件を探し始めましょう。
まずは、事業内容や通勤しやすさなどを考えてエリアを決めます。店舗の場合、立地が売り上げに影響されるため、顧客層や競合店などのリサーチが必要です。
面積は従業員の人数や業務内容、設備などを考慮して決めましょう。予算は敷金や礼金、仲介手数料なども考慮して決める必要があります。
この時期には、資本金の金額を決めておきましょう。資本金の最低金額は1円ですが、少なすぎると会社の信用に関わります。事業が軌道に乗るまでは赤字になる可能性もあるため、3〜6か月ほどの運転資金に必要な金額を資本金にするのがよいでしょう。
適切な資本金の金額は、事業内容によっても異なります。また、1,000万円未満にすると消費税や法人住民税を節税できるなどといったメリットがあります。資本金の金額に悩む場合は税理士に相談するのがよいでしょう。
創業半年前から創業3か月前の期間には、事業計画書の作成などが必要です。この時期に主にやるべきことを解説します。
創業半年前〜3か月前になれば、会社を設立するか個人事業主として開業するか決める必要があります。法人にする場合は株式会社や合同会社など、形態も決めましょう。
法人設立の主なメリットには、信用力の向上や資金調達しやすいことが挙げられます。法人相手に事業をおこないたい場合は、法人設立が向いているでしょう。一方、デメリットには会社設立時に費用がかかることや、社会保険の加入義務があることなどがあります。
個人事業主の場合は税務署に開業届を提出し、青色申告を希望する場合は「青色申告承認申請書」を提出するだけなので、手続きが簡単でコストもかかりません。利益が少ないうちは税負担も少なく、会計処理も法人に比べて易しいことなどがメリットに挙げられます。
一方、社会的信用が低いことや融資を受けにくいこと、一定の売上を超えると税率が上がり税負担が大きくなることなどのデメリットがあります。
それぞれのメリットやデメリットを把握し、事業目的や規模にあわせて法人設立するか個人事業主として開業するか決めましょう。
事業計画書とは、事業内容や戦略、将来的な収益の見込みなどを記載した書類です。主に金融機関に融資を申し込むときや、投資家からの出資を受けるときなどに必要です。事業計画書の作成は義務ではないため、融資や出資を受ける必要がない場合は、作成が必須ではありません。しかし、事業概要や強みなどを明確にし、事業の方向性を従業員と共有するためにも作成したほうがよいでしょう。
事業計画書の記載事項や記入例は、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:初めて作成する場合でもわかる事業計画書の書き方を例をあげて徹底解説!
創業1年前〜半年前に取引先や仕入れ先を探し始めますが、候補となる企業がいくつか見つかれば、この時期に相見積もりを取って比較検討しましょう。
品質や価格だけでなく、納期や支払方法も比較の対象としましょう。仕入れ先は1社に絞らず、複数の仕入れ先を確保しておくと、トラブルが発生したときも安心です。
開業資金の準備を始めましょう。準備する自己資金は開業資金総額の3〜5割が目安です。自己資金がゼロや極端に少ない場合は、融資の審査に通りにくくなります。自己資金でいくら用意できるか明確になれば、必要に応じて融資や補助金を受けましょう。
融資とは事業資金を借りること、補助金は国が交付する返済不要の資金を指します。創業融資の制度、補助金には主に以下のようなものがあります。
創業融資 | 新創業融資制度中小企業経営力強化資金新規開業資金挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)女性、若者/シニア起業家支援資金再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資) |
創業補助金 | ものづくり補助金事業再構築補助金小規模事業者持続化補助金IT導入補助金事業承継・引継ぎ補助金 |
創業するとなるとゼロから販路の開拓が必要です。スムーズに事業をスタートするためにも、開業前から販路を確保しておく必要があります。販路を獲得するには、友人や知人や取引先に紹介を依頼する方法が一般的です。
さらに、商品をどうやって売るのかも考えておきましょう。Webサイトを作成して売るのであれば、この時期から準備が必要です。
創業3か月前から創業直前までの時期には、会社設立の手続きをおこないます。そのほかにも創業に向けてさまざまな準備が必要です。
会社設立の手続きをおこないます。先述のとおり、大まかな流れは次の5ステップです。
会社設立には費用がかかります。専門家に頼らずに自力ですべての手続きをおこなっても、収入印紙代などの費用は必要です。会社設立にかかる費用については、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:会社設立費用は無料にできるの?設立時のポイントや法定料金について解説
従業員を雇う場合、まずは賃金や労働時間、休日などの労働条件を明確にします。必要な人数を決め、募集や採用活動をおこなって人材を確保しましょう。
事業に必要な設備や備品を揃えて、オフィスや店舗に搬入しましょう。消耗品なども準備しておきます。
開業したら、すぐに広告宣伝ができるように準備をしておきましょう。WebサイトやSNSの公開、広告宣伝のためのLP作成などは、創業前の段階で完成させておきます。ほかにはチラシ、新聞広告などの方法もあります。会社概要や営業資料も作成しておきましょう。
創業後にすべきこともあります。創業日〜創業1か月以内に必要な手続きなどを解説します。
会社設立後はさまざまな届出が必要です。
提出先 | 書類 | 時期 |
税務署 | 法人設立届出書 | 会社設立日から2か月以内 |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 会社の設立日から3か月以内、もしくは最初の事業年度終了日で早いほうの前日まで | |
青色申告承認申請書 | 期限なし | |
給与支払事務所等の開設届出書 | 事務所開設後1か月以内 | |
年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険新規適用届 | 会社設立から5日以内 |
健康保険・厚生年金保険の被保険者取得届 | 被保険者資格を取得した日から5日以内 | |
健康保険被扶養者届 | 被保険者に扶養者がいる場合、被保険者を取得した日から5日以内に提出 | |
ハローワーク | 雇用保険適用事務所設置届 | 適用事務所になった翌日から10日以内 |
雇用保険被保険者資格取得届 | 従業員を雇った日の翌日から10日以内 | |
労働基準監督署 | 労働保険の保険関係成立届 | 従業員を雇った日の翌日から10日以内 |
労働保険概算保険料申告書 | 労働員を雇った日の翌日から50日以内 | |
適用事業報告書 | 従業員を雇ったらすぐ |
このほかにも、創業後に必要な届出にはさまざまなものがあります。必須のものもあれば必要に応じて申請するものもあるため、手続き漏れがないように確認しておきましょう。
創業後は、できるだけ早く法人口座を開設しましょう。法人口座を作ると社会的信用が上がり、金融機関からの融資が受けやすくなるなどのメリットがあります。開設時に必要な提出書類は金融機関によって異なりますが、主に次のような書類が必要です。
法人口座開設の審査は厳しいため、審査に落ちることもあります。審査に通るためには、必要書類を漏れなく揃え、事業目的や口座開設目的を明確に説明しましょう。都市銀行は地方銀行や信用近郊に比べると審査基準が厳しく設定されています。金融機関ごとの審査基準を確認しておくことも重要です。
創業後は商品やサービスを認知してもらう必要があります。創業までにホームページを開設しておけば、創業後は商品やサービスをすぐに宣伝や告知できて認知度の向上が期待できます。
会社の創業前後はさまざまな費用がかかります。税理士にサポートを依頼すれば、節税や創業融資、補助金、助成金を利用するためのサポートを受けられます。会社を設立してから税理士に依頼する会社も少なくありませんが、設立前から依頼すれば手続きにかかる労力を削減できます。
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創業する際は、約1年前から準備が必要です。また、創業後もさまざまな手続きを定められた期限までにおこなわなくてはいけません。創業前後カレンダーを参考に、必要な準備を進めていきましょう。
会社設立の準備や手続きは煩雑なので、すべて自力でおこなうとなると作業に膨大な時間を取られてしまいます。事業の準備に専念するためにも、プロの手を借りることをおすすめします。千代田税理士事務所では、会社設立に必要な作業だけでなく、設立後の節税対策までトータルでサポートいたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。可能です。開業にまつわるお悩みは、ぜひ千代田税理士法人にご相談ください。