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「起業をしたいけど資金が足りない」「資金調達の方法がわからない」と、起業するための資金について悩みや疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
資金調達方法はさまざまで、調達方法によっては返済が不要のものもあります。起業時の資金調達は、今後の経営に関わる大きな出来事です。深く考えずに資金調達をすると、経営権を第三者に握られてしまったり、借り入れの返済に苦しむことになります。
本記事では、起業時の資金調達方法10選を紹介します。それぞれのメリットやデメリットも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
起業時の開業資金は500万円未満がもっとも割合が高いです。日本政策金融公庫総合研究所によると、2021年度開業費用の分布割合は以下の通りとなります。
500万円未満:42.1%
500万円~1000万円未満:30.2%
1000万円~2000万円未満:17.8%
2000万円以上:9.9%
出典:2021年度新規開業実態調査(4.開業費用と資金調達)
立ち上げる事業のビジネスモデルなどにより必要な費用は大きく異なります。飲食業などの店舗や設備が必要な事業の開業資金は高くなることが一般的です。
資金調達方法を決定する前に、起業に必要な資金を把握しましょう。必要な資金がわからずにどんぶり勘定で資金調達の申し入れをしても、審査に通ることは難しいです。
必要な資金を把握するために、まずは事業計画書の作成に取り掛かりましょう。
事業計画書とは、新規事業の概要や将来性、競合調査、収益予測などをまとめた計画書です。統計データの分析などを基に、できるだけ客観的に、新規事業が将来どのように成長していくのかを事業計画書に記載します。
資金調達のために融資や出資の申し込みをする際は、事業計画書の提出が必須です。事業計画書を作成すれば、新規事業を深く分析でき、必要な資金額を明確にすることができます。
事業計画書についてはこちらの記事で詳細に解説しているので、参考にしてみてください。
起業時の資金調達方法10選を紹介します。一覧表は以下の通りです。
カテゴリ | 資金調達方法 |
出資 | ①エンジェル投資家 |
出資 | ②VC(ベンチャーキャピタル) |
出資 | ③クラウドファンディング |
出資 | ④他企業に株式を譲渡 |
融資・借入 | ⑤日本政策金融公庫の創業融資 |
融資・借入 | ⑥銀行などの民間金融機関からの融資 |
融資・借入 | ⑦地方自治体などによる制度融資 |
融資・借入 | ⑧親族や知人からの借入 |
助成金・補助金 | ⑨創業助成金(東京都) |
助成金・補助金 | ⑩小規模事業者持続化補助金(日本商工会議所) |
それぞれの資金調達方法の詳細を解説します。
出資とは、投資家に対して株式を発行・交付して資金を調達する方法です。出資により資金を調達した場合、資金の返済は不要となります。
ただし、株式を購入した投資家は株価の値上がりや配当金の受け取りを期待しています。そのため、企業は、株主である投資家の期待する株価の上昇や配当金の拠出に努めることが必要です。
また、株式を保有した株主は株主総会での議決権を持ちます。そのため、会社の株式の2分の1以上を保有すると、その株主が実質的な経営権を握ることになるので注意が必要です。
出資のそれぞれの資金調達方法を紹介します。
エンジェル投資家とは、個人でベンチャー企業などに出資する投資家を指します。エンジェル投資家の目的は、未上場のベンチャー企業に出資して、将来上場した際の株価の値上がりで儲けることです。
エンジェル投資家の出資を受けるためには、エンジェル投資家から事業が有望で将来上場する可能性が高いと思われる必要があります。メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
デメリット
ベンチャーキャピタルは、出資を目的とした投資会社です。本業として、ベンチャー企業への投資を行っています。目的はエンジェル投資家と同じで、出資した企業の上場による株価の値上がりです。メリット・デメリットは以下の通りとなります。
メリット
デメリット
クラウドファンディングとは、インターネットを通して支援者を募り資金を調達する方法です。出資のように株式を譲渡して資金を得るものもあれば、寄付を募るものもあります。寄付型は、震災復興支援の際などに使われることも多いです。メリット・デメリットは以下の通りとなります。
メリット
デメリット
近年、大企業を中心にグループ内にベンチャーキャピタル部門を設ける会社が増えてきました。これはコーポレートベンチャーキャピタルと呼ばれ、本業でシナジー効果が見込まれるベンチャー企業に対し出資をおこなうことが目的です。メリット・デメリットは以下の通りとなります。
メリット
デメリット
融資・借入とは、借金のことです。出資とは異なり、調達した資金は返済が必要になります。調達した元本に加えて利子の返済も必要です。
融資・借入のそれぞれの資金調達方法を紹介します。
日本政策金融公庫は国が100%出資をしている政策金融機関で、開業率の増加や雇用機会の創出を目指しています。そのため、起業への融資に積極的で、起業時に日本政策金融公庫から融資を受ける起業家は多いです。メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
デメリット
融資を受けるべき理由や創業融資をおこなう機関については、下記の記事で詳しく解説しております。ぜひ合わせてご覧ください。
銀行などの民間金融機関から直接融資を受ける方法です。審査基準が厳しいのが特徴で、起業時に融資を受けるのは難易度が高いでしょう。メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
デメリット
民間金融機関から直接融資を受けることは難しいですが、信用保証協会の信用保証(制度融資)を付ければ融資を受ける難易度が下がります。制度融資とは、仮に調達した資金を返せなかった場合に信用保証協会が銀行に代わって損失の80%をカバーしてくれる制度です。メリット・デメリットは以下の通りとなります。
メリット
デメリット
親族や知人からの借り入れも、起業時の資金調達の一つです。メリット・デメリットは以下の通りとなります。
メリット
デメリット
出資と融資のほかにも、助成金や補助金による資金調達も考えられます。助成金や補助金は、原則、返済の必要がありません。起業時に利用されることが多い助成金や補助金を紹介します。
創業助成金は、国や地方公共団体が起業時に必要な費用の一部を補助する制度です。東京都の創業助成金は、都内で創業を予定する方や、創業後5年未満の中小企業者で要件を満たす方*1を対象としています。
人件費や賃借料、広告費などの経費が最大で300万円助成されますが、助成率は経費の2/3以内です。そのため、自己負担が発生することに注意しましょう。メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
デメリット
*1…「TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者」「東京都制度融資(創業)利用者」「都内の公的創業支援施設入居者」など
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の経営存続を支援する補助金です。従業員数が20人以下などの要件を満たした小規模事業者のみが対象で、機械装置費用や広報費、開発費、借料、外注費などが補助対象となります。メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
デメリット
参照:小規模事業者持続化補助金
補助金や助成金については下記の記事にて解説しておりますので、合わせてご覧ください。
起業時の資金調達について解説しました。一言に資金調達と言ってもその種類はさまざまです。事業規模や事業内容、自己資金の有無などによってもどの方法が適しているかが異なるため、実態にあった資金調達を選択しましょう。
また、エンジェル投資家やVCからの資金調達をする際の契約の締結や、融資を受けるために金融機関などを納得させる事業計画書の作成など、資金調達には注意すべき点や工夫すべき点が多くあります。
1人で全ての手続きや申請をおこなうのは大変ですし、正しい判断ができるかはわかりません。資金調達は、専門家である税理士に相談しましょう。
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