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会社を代表する人物、すなわち代表取締役は通常の場合1名ですが、必ずしも1名に絞らなければいけないわけではありません。2人以上いる会社も存在します。
このように聞くと「それがいわゆる共同代表のことだろうか?」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし実際には共同代表と、純粋に代表が複数いることでは、意味が異なります。
この記事では共同代表とは何かについて解説するとともに、いわゆる複数代表との違い、そして代表取締役を2人以上用意することのメリットやデメリットについても詳しく掘り下げていきます。
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監修者
東京都千代田区にある千代田税理士法人の代表です。千代田税理士法人は創業60年を超える歴史ある事務所であり、経済産業省から認定を受けた経営革新等支援機関であります。
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また、令和5年7月1日には千代田社会保険労務士事務所を千葉県松戸市常盤平に社労士事務所を設立しております。自宅も近いため、松戸市近辺で税理士をお探しの方も対応可能ですのでご連絡をいただけると嬉しいです。
目次
会社法の知識の無い方が共同代表という言葉を聞くと、単純に会社のトップが複数いることであると考えてしまうかもしれません。しかし実は共同代表という言葉は別の仕組みを指しています。
共同代表とは、複数の人間で代表権を共同して行使する仕組みのことです。1つの権限を分けあう形になっており、全員が足並みを揃えなければ何もできないのが特徴となっています。多数決を用いることもできず、全員の意思が一致して初めて物事を進めることが可能となります。
現在の会社法では、共同代表の制度は廃止されています。元々の制度趣旨は「権限の濫用を相互に牽制させるための制度を外部に公示する」というものでしたが、これを法的に規定する意味がないと判断され、会社法改正時に削除されました。
2人以上の代表取締役を立てている会社が、自分達は共同代表を擁していると勘違いしているケースも見られますが、制度的にまったく異なるものです。
共同代表は、1つの権限を複数の人間で分けあうものであったため、全員の意見が一致しなければ意思決定ができないという特徴がありました。
それに対して複数代表とは、単に意思決定できる人間が2人以上いる状態です。1人1人が単独で権限を行使できるようになっており、少なくとも法的には、何かを実行する際に意見をすり合わせる義務はありません。数の制限はないので、何人でも選出することが可能です。
単に会社として独断で代表取締役を選出できるだけでなく、その全員を登記することも可能です。
そのためには、まず定款の内容がそれを禁止するものでないようにしておく必要があります。あらかじめ可能になっている場合には変更の必要はありません。定款の定めに問題がなければ、取締役会または取締役の互選によって選定した全員を登記できます。
登記をすることで初めて公示したことになるので、きちんと済ませておきましょう。
代表取締役を複数名登記する際の注意点としては、以下の3つが挙げられます。
順番に見ていきましょう。
すでに解説したことですが、代表取締役を2人以上選出することは、共同代表とはまったく異なります。そもそも共同代表の制度はすでに廃止されているので、擁立したくてもすることができません。
かつて存在した共同代表とは、1つの物事を複数人が一緒に決めるというものでした。1つの権限を分けあう形であるため、全員の意見が一致しなければ決定事項とはなりませんでした。
しかし現在では会社のトップを2人以上用意できるだけの制度となっているため、共同代表と同じような全会一致の概念はありません。
代表が複数人存在すると聞くと、つまり社長がたくさんいる状態であると解釈する方もいるかもしれません。
しかし実際にはその限りではありません。そもそも社長という肩書きは会社法で定められたものではなく、昔からの慣習を根拠に存在しているものです。したがって誰を社長と呼ぶかは会社ごとの自由であり、必ずしも代表全員を社長と呼ばなければならないわけではありません。
会社の実印はイメージ的には1つしか用意できないように思われますが、実際には代表取締役1人に対して1つという対応になっています。したがって2人以上を選出した場合には、その人数に応じた数の実印を用意する必要があります。
それぞれ自分の実印しか使用することができないため、もし人数に応じた数の実印を用意していなかった場合には、実印を持っている者しかそれを用いることができないことになります。
代表が2人以上いるメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
いずれも会社経営において重要な意味を持つ要素ばかりなので、以下の解説を読んでしっかり把握しておきましょう。
トップを2人以上置いておくことで、分立経営が可能になります。分立経営とは、1人の人物が会社の意思決定すべてに関わるのではなく、部分的に関わっていく経営スタイルのことです。
人によって得意分野が違うのが当たり前なので、まったく異なる分野を得意とする人物を何人か選出しておくことで、それぞれの分野において専門知識を持った人物が最良の選択をおこなえるようになります。
代表取締役は、通常の取締役よりもはるかに大きな権限を有しています。取引先と契約を結び、書類に印鑑を押すことを自分の権限でおこなえます。逆にいうと、代表取締役が何らかの理由でいないとき、会社は最終的な意思決定をおこなえないことになります。
そのような状況に備えて権限の持ち主を複数用意しておくことで、意思決定が早くなるというメリットがあります。とくに多くの支社があったり、海外展開をしていたりする場合には、そのメリットを多く享受できることでしょう。
たとえば2人で一緒に会社を設立した場合、共同で出資をし、共同で経営していくことになります。2人の立場は平等であることがほとんどです。
このように決定権を持つべき人間が1人ではない場合、トップを1人に絞ってしまうと、さまざまな意思決定を繰り返す過程で片方が不満を募らせ、トラブルに発展する恐れがあります。そういったリスクを避けるために、双方に同等の権限を与えておくことで、円滑にビジネスを進められるようになります。
代表を複数名用意することには、以下のようなデメリットもあります。
リスクを事前にしっかり認識しておくことは大切なので、以下の解説をしっかり読んでおいてください。
会社経営の決定権を持つ人間が1人ではないということは、1つの経営判断に関して代表同士で意見が食い違うこともあるということです。そういった状況に陥ると調整は難しく、泥沼の様相を呈する場合も少なくありません。
また会社法の制度としては代表1人1人が独断で物事を進められるのですが、実際問題としては1人が意思決定する際には全員の納得・同意が必要でしょう。そのため結果的に意思決定が遅くなってしまう可能性もあります。
意思決定をおこなえる人間が複数いると、場合によってはどちらの判断を重視すればよいか、どちらの決済によって意思決定をおこなえばよいかといったことがわかりにくくなります。
社内において、どちらの代表に判断してもらえばよいかわからなくなるだけでなく、取引先などの外部から見た場合にも、同じような混乱が生まれてしまう可能性があります。どの意思決定を誰がおこなうことになっているのか、あらかじめ明確にしておく必要があるでしょう。
代表取締役が2人以上いる場合についての、よくある質問に回答していきます。
共同代表とは、1つの権限を複数の人間で分けあっている状態を指す言葉です。現在の会社法においては廃止されています。
それに対して単に2人以上の代表がいる場合には、その1人1人が独立した権限を有しており、それぞれに割り当てられた実印を使って取引先との契約書に押印することもできます。
そもそも代表取締役と社長は異なる概念です。前者は会社法で定められた機関ですが、後者は法的に定められたものではなく、社会的な慣習のもとで存在しているにすぎません。
したがって誰を社長と呼ぶかは会社ごとに自由であり、必ずしも代表全員を社長と呼ばなければいけないわけではありません。
複数の代表取締役で、1つの実印を共有することはできません。実印は代表1人1人に割り当てられるものであり、他の者の実印を用いることは許されていません。
したがって実印を1つしか用意していない場合、その持ち主に何らかの事情があって意思決定をおこなえない状況に陥っても、他の者が代理を務めることはできないので注意してください。
共同代表について、そして複数の代表取締役を選出することについて解説しました。
代表を複数人にしておくことには、メリットもデメリットも両方あります。その具体的な内容は記事中で解説した通りですが、大切なのは自分の会社にとって何が重要であるかを見極めたうえで、メリットとデメリットのどちらが大きいかを的確に判断することです。
メリットのほうが大きいと考えられる場合には、ぜひ代表取締役を複数人選出することを検討してみましょう。
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