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株式会社を設立する際、必要な人数が気になる方は多いのではないでしょうか?以前に比べて独立を考えている人が増えている今、1人で株式会社を設立できるか気になっている方も多いでしょう。
そこで、この記事では株式会社設立に必要な人数について説明します。1人で株式会社を設立するメリットやデメリットについても解説しますので、参考にしてください。
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目次
株式会社の設立に必要な人数は、最低1人です。1人で株式会社の設立が可能ですが、以下2つの条件に当てはまる場合、1人での会社設立はできません。
株式に譲渡制限を設けていない場合、取締役会の設置が必要になります。取締役会は最低3人必要になるため、このケースの場合、1人で株式会社の設立はできません。
なお「すべての株式に譲渡制限に関する規定がある会社のこと」を株式譲渡制限会社と呼びます。この規程があることによって、会社にとって不利益な人に株式が渡るのを防げるメリットがあります。
法人形態が合資会社である場合も、1人で会社の設立はできません。合資会社とは「無限責任社員」と「有限責任社員」からなる会社です。
合資会社の場合、有限責任社員と無限責任社員がそれぞれ1人以上必要になるので、1人での設立はできません。
「有限責任社員」とは株式会社と同様に、一定の責任以上は負わない社員のことです。一方「無限責任社員」に関しては、その名の通り、無限に責任を持つ社員のことを指し、業務執行権を持つため経営に大きく介入していることが多いです。
1人で株式会社を設立するメリットはたくさんありますが、主なメリットは3つです。
会社を始めるうえで固定費は非常に重要です。なぜなら、固定費は毎月かかってくる費用になるからです。株式会社の取締役にかかる固定費には、役員報酬や租税公課などがあります。
固定費が高いと、それだけ経営を圧迫することになります。事業が順調であっても、固定費のせいで会社が傾いてしまうことも珍しくありません。固定費を抑えることによって経営を安定させられるメリットは非常に大きいでしょう。
会社を設立する場合、商号や事業内容など、さまざまな要素を決定しなければいけません。
複数の人が意思決定に関わると、幅広い意見が出るメリットはありますが、スピーディーに意思決定ができないケースも多いです。なぜなら、1人の取締役の反対によってなかなか意見をまとめることができず、行動に移せなくなってしまうことがあるからです。
一方、1人で株式会社を設立した場合、そのような心配はありません。すべて自分の判断で意思決定をおこなうことができるからです。意思決定をスピーディーに、柔軟にできるのも、1人で株式会社を設立する大きなメリットになるでしょう。
人を採用をするには多くの費用がかかります。特に設立したての場合、自社のホームページを作って募集をかけたとしても、知名度が低いため、なかなか採用ができないでしょう。
採用をするために人材業者に頼むのが一般的ですが、費用は非常に高いので、経営を圧迫してしまう材料になります。また、採用イベントへの出展費用、採用セミナーや集団面接の開催費用も高額です。
もちろん良い人材を採用できれば良いですが、そうとも限りません。また、せっかく採用したのにすぐに辞めてしまう可能性もあります。そのため会社設立時は、できるだけ少ない人数で進めたほうがメリットが大きいのです。
1人で株式会社を設立するデメリットについて説明します。主なデメリットは2つです。
多くの人が勤めている会社に比べ、信用度が相対的に低く見えてしまうのはデメリットになるかもしれません。社員数が多いほど、会社規模が大きいと判断されるためです。
また、一人で会社を経営する場合、万が一経営者が突然亡くなると、会社が潰れるリスクがあります。そのため、存続性の面でもリスクと感じる人が多いのです。
しかし、個人事業主と比較すると法人化したほうが、社会的信用は得やすくなる傾向にあります。一人で経営している会社とはいえ、会社設立や運営にかかる手続きは煩雑です。
個人事業主と比較すると、取引先や金融機関から信用が得やすくなるため、会社設立はプラスに働くこともあるでしょう。
1人で会社を経営するのは、固定費の削減や採用費用の削減などにメリットがありますが、1人ですべてのことをやるので、売上や利益の規模には限界が出てくるでしょう。ある程度、会社の規模を大きくしたい場合、デメリットになってしまうかもしれません。
特に事務手続きについては、膨大な作業量が必要となるため、リソース不足に陥りやすいです。もし、事業拡大を狙うなら、従業員を増やすことも検討しましょう。いきなり社員を雇うのに抵抗がある場合は、業務委託などで任せられる人を増やすのも選択肢の1つです。
1人で株式会社を設立する際の主な注意点は、以下の3つです。
株式会社は基本的に1人で設立ができますが、業種によっては人数の条件があります。例えば、運送業を始めるためには、最低でも5台のトラックが必要となり、5人の運転者を確保しなければいけません。
また、日雇いや短期雇用ではなく、事業用自動車を運転できる免許を所持する運転者である必要があります。このように、業種によっては1人で株式会社を設立できない場合もありますので、注意してください。
1人で株式会社を設立した場合、人数が2人以上いる会社に比べて経費が認められにくい傾向にあります。具体的に、認められにくい経費には「福利厚生費」が該当します。福利厚生費とは、会社が給与以外に社員のために利用する費用全般を指します。
また、福利厚生費には「法定福利費」「法定外福利費」があります。法定福利費には、社会保険料等が該当し、これは1人会社でも経費として認められます。
一方、出張手当や健康診断などの法定外福利費は、経費として認められないことがあります。一人で会社を経営する場合は従業員が存在しないため、福利厚生という概念は本来存在しません。
例えば、家族経営で社員旅行に行った場合、公私混同とみなされ、福利厚生費で処理するのは難しくなってしまうでしょう。
株式会社を1人で設立すると、意思決定を1人でおこなうため、スピーディーかつ柔軟な判断が可能です。しかし、他の人の意見を聞けないため、経営判断の誤りに長い間、気づかない可能性もあります。
もし株式会社を1人で設立するのであれば、役員になってもらえなくても、様々な人脈を作り、意見を求められる環境を作っておくのが重要になるでしょう。
今回は、株式会社の設立人数について説明をしました。固定費の削減や意思決定をスピーディーにおこなえるなど、株式会社を1人で設立するメリットはたくさんあります。
もちろん、設立当初は、信用度が低くなってしまうことや、福利厚生などの経費が認められづらいなどのデメリットもあります。
また、運送業など業種によっては1人で設立できない場合もありますので、注意点もしっかり理解する必要があるでしょう。
しかし、これらのデメリットや注意点を考えても1人で株式会社を設立するメリットは非常に大きいです。この記事を読んでいただき、1人で株式会社を設立することに興味を持っていただいた方も多いのではないでしょうか。
株式会社設立の手続きは、やや煩雑なため、スムーズに進めるには、税理士に依頼するのがおすすめです。千代田税理士法人では、会社設立から経営拡大支援まで幅広くサポートしています。初回相談を無料で行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
株式会社は1人で設立できます。ただし、合資会社の設立や株式制限譲渡がない会社の設立などは1人ではできません。
具体的には合資会社の場合、有限責任社員と無限責任社員がそれぞれ最低1人必要です。また、株式制限譲渡がない会社を作る場合は、取締役会の設立が必要になります。取締役会は最低3人必要なので、このようなケースの場合は1人で株式会社を設立することはできません。
以前は株式会社の発起人が7人必要でしたが、1900年の商法改正によって「発起人が7人以上必要」という条件は廃止されました。
そして、2006年に新会社法が施行され、取締役が3名以上必要だったところ、1人以上で良いことになったため、株式会社は1人で設立できるようになったのです。