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クリニック経営では、診療内容や患者対応だけでなく、税務・会計の管理も経営を左右する重要な要素です。特に売上や利益が安定してくると、所得税や法人税、消費税などの税負担が増え、「節税を考えたい」と感じる院長先生も多いのではないでしょうか。
ただし、節税は単に税金を減らすための手法ではなく、将来の経営を見据えた判断の積み重ねが重要になります。本記事では、クリニック経営者が押さえておきたい節税の基本的な考え方と、実務で検討されやすいポイントをわかりやすく解説します。
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目次
クリニックの節税は、単年度の税額を減らすことだけを目的に行うものではありません。設備投資や人材採用、将来の事業展開を見据えながら、経営全体のバランスを取ることが重要です。
ここでは、節税を考えるうえで押さえておきたい基本的な視点について整理します。
節税という言葉から、できるだけ税金を払わない方法を探すことをイメージされがちですが、実際には法律の範囲内で税負担を適正に抑え、経営に活かすことが本質です。
クリニックの場合、節税によって確保できた資金は、医療機器の導入や院内環境の整備、スタッフの採用・教育などに活用できます。結果として、診療の質や患者満足度の向上につながる点が大きなメリットです。
決算直前に慌てて行う節税対策は、資金繰りの悪化や将来的な税務リスクを招く可能性があります。クリニック経営では、数年先の事業計画やライフプランを踏まえたうえで、無理のない形で節税を検討することが重要です。
節税を検討する際、どうしても「税額がいくら減るか」という数字に目が向きがちです。しかし、クリニック経営では節税が経営判断そのものにどのような影響を与えるかも重要な視点になります。
たとえば、節税を優先するあまり設備投資を先送りにすると、診療効率や患者満足度の低下につながる可能性があります。逆に、将来を見据えた投資を行うことで、結果的に収益性が改善し、長期的には安定した経営につながるケースもあります。
節税は単独で考えるものではなく、「今後どのようなクリニックを目指すのか」という経営方針とあわせて検討することが大切です。
クリニックの節税対策には、いくつかの代表的な考え方があります。ここでは、実務の現場で検討されることの多いポイントを中心に解説します。
節税の基本となるのが、経費の適正な計上です。医療機器や消耗品、広告費、ITツール、研修費など、診療に直接関係する支出は、正しく経費として処理することで課税所得を抑えることができます。
一方で、高額な医療機器や内装工事費用などは資産計上が必要となり、減価償却によって複数年に分けて費用化されるケースもあります。経費か資産かの判断を誤ると、税務調査で指摘を受ける可能性があるため注意が必要です。
クリニック経営では、プライベートな支出と事業経費の区分が曖昧になりやすい傾向があります。私的利用の割合が高い支出を無理に経費計上すると、後から否認されるリスクが高まります。
日頃から支出内容を整理し、事業との関連性を明確にしておくことが、結果的に安心できる節税につながります。
節税を意識するあまり、経理処理や運用が複雑になってしまうケースも少なくありません。書類や仕訳が煩雑になると、日常業務に負担がかかり、結果として管理が行き届かなくなることもあります。
また、グレーな処理を積み重ねてしまうと、税務調査時に説明が難しくなり、修正や追徴につながるリスクも高まります。クリニック経営では、「無理のない運用で継続できること」も節税対策の重要な条件の一つです。
所得の構造を見直すことも、クリニックの節税を考えるうえで重要な視点です。特に院長先生個人に所得が集中している場合、税率が高くなりやすくなります。
法人化しているクリニックでは、役員報酬の金額設定が税負担に大きく影響します。報酬額は一度決めると原則として期中変更ができないため、事前のシミュレーションが欠かせません。
また、家族に業務を依頼し給与を支給する場合も、実態のある業務内容が前提となります。形式だけの給与支給は税務上認められないため注意が必要です。
報酬設計を考える際は、税金だけでなく社会保険料の負担も含めて検討することが重要です。税額が下がっても、社会保険料が大きく増えると、結果的な負担が変わらないケースもあります。
クリニックの節税対策の一つとして挙げられるのが、医療法人化の検討です。法人化によって税率構造が変わり、所得分散や退職金制度の活用など、選択肢が広がります。
法人化には節税効果が期待できる一方で、設立費用や事務負担の増加といったデメリットもあります。また、必ずしもすべてのクリニックで節税効果が出るとは限りません。
売上規模や利益水準、将来の事業計画を踏まえ、総合的に判断することが重要です。
自由診療の割合が高いクリニックでは、消費税の影響も無視できません。課税売上高が一定額を超えると課税事業者となり、納税負担が発生します。
簡易課税制度の選択やインボイス制度への対応など、消費税には複雑なルールがあります。制度を正しく理解したうえで対応することで、想定外の負担を防ぐことができます。
クリニックの節税対策は、どの段階にあるかによって重視すべきポイントが変わります。開業直後と、売上が安定してきた段階では、適した考え方も異なります。
開業直後は、節税よりもまず資金繰りの安定が重要になります。初期投資が重なる時期では、無理な節税を狙うよりも、キャッシュフローを把握し、必要な支出を優先することが経営の安定につながります。
売上や利益が一定水準に達すると、税負担も増加します。この段階では、これまでの処理方法が適切かどうかを見直し、将来を見据えた節税の検討が必要になります。
節税対策は決算期だけに行うものではありません。年間を通じた利益予測やキャッシュフローを把握し、状況に応じて対策を見直すことが重要です。
特にクリニックは、人件費や設備投資などの影響を受けやすいため、定期的なチェックが欠かせません。
年間を通じて節税対策を行う中では、「想定どおりに進んでいるか」を定期的に確認することが欠かせません。
たとえば、当初の利益見込みと実際の数値に差が出ていないか、人件費や外注費が想定以上に増えていないかなど、数字の変化を把握することで早めの対応が可能になります。
また、診療内容や集患施策の変化によって、売上構成が変わることも少なくありません。自由診療の比率が高まった場合には、消費税の影響を改めて確認する必要がありますし、新たな設備投資を検討する際には、資金繰りとのバランスも重要になります。
こうした見直しを定期的に行うことで、節税対策が形だけのものにならず、実際の経営状況に即した判断につながります。
クリニックの節税は、制度や数字だけで判断できるものではありません。経営状況や将来の方針によって、取るべき選択肢は変わります。
税務の専門家と定期的に情報を共有することで、「今は何を優先すべきか」「どこまで対策すべきか」といった判断軸が明確になりやすくなります。
結果として、過度な節税に走ることなく、安心感を持って経営判断を行うことができます。
クリニックの節税は、税金を減らすこと自体が目的ではなく、経営を安定させるための重要な判断の一つです。経費管理や報酬設計、法人化、消費税対応などを総合的に検討し、自院に合った方法を選ぶことが将来の安心につながります。
クリニックの節税でお悩みの方は、千代田税理士法人までお気軽にご相談ください。