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「起業したいけど、何を勉強したらいいの?」「起業するには何か資格がいるの?」
起業にあたり、さまざまな不安や悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。起業は決して簡単なことではなく、膨大な準備を要します。そして、大きなリスクと責任を背負うことになります。
そのため、自分自身と従業員を守れるように、起業に際して専門的な知識やスキルを習得しておきましょう。本記事では、起業に必要な知識やスキルについて解説します。スキルの獲得方法や、やるべきことの6ステップまで詳しくお伝えするので、参考にしてください。
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目次
起業に成功するためには、専門的な知識とスキルが不可欠です。まずは、起業に必要な知識とスキルを一覧でまとめます。
このように、起業に求められる知識やスキルは多くの分野にわたります。各項目について見てみましょう。
起業に欠かせないものといえばお金です。お金にまつわる基礎知識を身につけることは、運営における必須条件となります。「財務会計」や「管理会計」などの基本的な勉強をすると、企業や経営管理に役立つでしょう。
管理自体は税理士や会計士に任せる場合でも、起業や経営で必要な資金は常に把握しておくことが大切です。また、経営者は随所で大金を動かす判断が求められます。その判断次第で経営状態が左右されるため、常に適切な選択ができるようになることが重要です。経営者として理想的なお金の運用ができるように、基本的な知識をつけておきましょう。
起業・経営でお金以上に重要となるのが、法律の遵守です。会社経営では「民法」「会社法」「労働基準法」の3つは必ずおさえておく必要があります。
民法 | 私人間(一般市民や法人)の権利や義務について定めた法律です。人や企業を守るために存在し、物品の売買やお金の貸借などで円滑な取引を進めるために必要とされます。 |
会社法 | 会社法は、会社の設立や運営、管理について定めた法律です。会社を設立するための条件やルールなどが書かれています。 |
労働基準法 | 労働基準法は、労働者の権利を守るために定められた法律です。雇用する従業員に適用される法律で、時代とともに改正されるため法律違反にならないように注意が必要です。 |
上記の3つに加え、事業内容に即した法律の知識が求められるケースもあります。そちらも漏れのないように気をつけましょう。
その業界について造詣がない場合、どういった商品やサービスが求められているかを把握できません。顧客にとってニーズの高い商品やサービスを販売できなければ、事業の継続は難しいでしょう。
そして、ニーズの高い商品やサービスを展開するにあたり、その分野の深い専門知識が求められます。企業する際には、自身が興味や関心を持てる分野を選び、日々研鑽していくことが重要です。
マーケティングとは、自社のサービスや商品を効率的に売るための戦略です。顧客のニーズを知るための市場調査・分析、商品企画・開発、広告宣伝活動・プロモーションなど多岐にわたります。すべて顧客の獲得や売上拡大のために必要なアプローチです。
商品やサービスの提供方法の決定にあたり、「4P分析」がビジネスのフレームワークとして用いられます。4P分析は以下の要素で展開されます。
4Pは、上記4つの頭文字の総称です。これらをフレームワークに活用して戦略を練ることが、マーケティングの基本となります。
事業の成長には、セールス(営業)スキルが大きな鍵を握ります。セールススキルが高いほど、自社の商品やサービスを魅力的にアピールし、購買・受注率を高めやすくなるでしょう。
営業にはコミュニケーション能力やヒアリング・クロージング能力などが求められます。顧客と円滑なコミュニケーションを取り、相手の立場で物事を考え、課題の分析や問題を見つけることで、成果アップにつながります。起業の初期段階では人員も少ないため、丁寧な営業活動でスキルを磨きながら成果を上げていくことが大切です。
営業で求められるコミュニケーションスキルは、起業や経営、営業、社内での人間関係など、仕事全般にわたって重要な能力です。コミュニケーションで重要となるのが、相手の話を聞くことです。自分の意見を押し通すのでなく、相手の話を傾聴することで、信頼関係を結びやすくなります。
社内で信頼関係が構築されると、進捗情報や経営目標の共有がスムーズになり、仕事の効率化にも貢献します。社内の情報共有がスマートに進むと営業面でもプラスに働き、売上の面でも効果的です。社内の人間関係がポジティブな状態であると離職率が下がるので、人材確保の面でもメリットが大きいです。
プレゼンテーションスキルとは、筋道を立ててわかりやすく説明し、相手の共感を得て行動喚起につなげる能力です。ビジネスにおいて、商品の購買や契約に結びつく重要なスキルとなります。
プレゼンテーションスキルは、起業に向けての立ち上げ段階でも効果を発揮します。例えば、資金調達では、投資家に事業の魅力やビジョンを明確に伝えることが大切です。プレゼンテーションスキル次第で起業の明暗を分ける可能性もあるでしょう。相手のニーズをしっかりとつかんでおき、効果的なプレゼンテーションをおこなうように努めることが大切です。
業務遂行スキルは、与えられた仕事を最後までおこなうために必要な能力です。業務遂行能力が高い人は、顧客や社内から仕事を任せても大丈夫という信頼を得られ、安定的な経営をサポートします。
業務遂行スキルには、大きく分けて「保有能力」と「発揮能力」があります。保有能力は、日常的な業務で身についている能力です。発揮能力は、保有能力を最大限に発揮して業務に貢献する能力です。
どれだけプレゼンテーションスキルやセールススキルが高くても、業務遂行スキルが低ければ目標を達成できない恐れがあります。そのため、保有能力と発揮能力をバランスよく向上させることが大切です。
情報収集スキルは、必要な情報を得るために迅速に行動し、質の高い情報をつかむ能力です。起業においては、信憑性の高い正確な情報を得なければなりません。また、情報を精査するには、複数のソースを分析する必要があります。
経営でポイントとなるのが、競合他社に関する情報です。市場には競合がひしめいており、起業するにはどのような戦略が理想的であるか、分析することが求められます。他社と差別化を図れる戦略を立てるためにも、高い情報収集スキルを身につけましょう。
数値管理スキルは、事業の実態に即して適切な経営管理ができる能力です。貸借対照表や損益計算書などの決算書に基づいて判断をおこないます。数値管理スキルがなければ計画性のない経営になるリスクが高く、社内全体が混乱してしまう可能性もあります。
経営に関しては税理士や会計士などのプロに頼るとしても、経営判断をおこなううえで数値管理スキルは必須です。起業をする前にこのスキルをきっちりと身につけておきましょう。
起業や経営では、トラブルに見舞われることも少なくありません。イレギュラーな事態が発生することもあり、どのような状況でも解決策を見つけて実現する力が重要となります。
事業運営で想定される問題には、法制度の改訂に伴う対応、社員の離職、売上不振、価格改訂、社会情勢の変化などさまざまあります。問題解決スキルが高ければトラブルの本質を冷静に見極めることができ、的確な対処法を見つけやすくなるでしょう。
解決策を実行する際には、実現に向けて道筋を立てる必要があります。自身の考えを批判的に考察する「クリティカルシンキング」を習慣づけることで、問題解決スキルが高まるでしょう。
マネジメントスキルは、人やお金、情報、環境などを管理・運営する能力です。起業当初や事業拡大の時期は新規メンバーの参加が多く、特にマネジメントスキルが求められます。一人ひとりのパフォーマンスを高められるように潜在的な能力を引き出したり、チームとしての目標を立てて実現に向けて環境を整えたりと、さまざまな手腕が問われます。
大切なのは、部下の意思を尊重すること。部下が納得のうえで行動できるように、信頼関係をつくりながらマネジメントをおこなうことが重要です。
自己管理能力とは、自分の思考や感情、行動を律してコントロールする能力です。自己管理能力スキルが高ければ、適切な目標を設定し、達成に向けて積極的に行動することができます。
起業では、すべてが自己責任となります。目標の達成には、体力と精神力のどちらも不可欠であり、バランスを保つ必要があります。健康管理はビジネスの基本。経営を安定させるためにも欠かせない条件となるため、体力と精神力には余力を持たせておきましょう。
マインドセットとは、過去の教育や経験などから培われた思考パターンを意味します。経営者はトップとしての高い志と使命感を持って業務に臨み、意思決定をする必要があります。利益だけでなく社会貢献も念頭に置き、優れた商品やサービスを提供することで、高い顧客満足度を獲得できるでしょう。
マインドセットスキルは、事業の全責任を背負う経営者にとって欠かせない能力といえます。
起業するための知識やスキルは多岐にわたるため、すべて習得するのは簡単ではありません。効率的に学べるように、必要な知識やスキルを身につける方法をチェックしておきましょう。
起業で必要な色やスキルを身につけるには、企業に関するアンテナを張り巡らせて情報を集めましょう。独学で勉強したい場合、スタンダードになるのが、WEBサイトや本を活用する方法です。
サイトを参考にする場合は、信頼性の高い情報源であるかどうかを必ず確認しましょう。そして、更新日もチェックしてください。ビジネスは社会情勢や法改正の影響を受けるため、鮮度の高い情報を選んでください。本を参考にする場合は、ビジネスに関する書籍は多数あるので、自分の業種に合わせたり、尊敬する有識者の本を選んだりするとよいでしょう。
リアルな情報は有力な参考情報となります。信頼できる人が身近で起業している場合は、その人に体験談や近況を聞いてみるのもおすすめです。旧知の関係であれば、あなたの性格に合わせたアドバイスも聞けるかもしれません。
人選は、参入する事業とできるだけ近い領域で活躍している人にするとよいでしょう。ご自身の起業に向けてより有益な情報を得られやすくなります。競合情報を聞ける可能性もあり、書類準備や手続きなど事務的な相談もしやすいでしょう。
起業に関する具体的な方法やスキルを学びたいなら、セミナーや講座への参加も検討してみてはいかがでしょうか。プロがまとめた実践的な資料を得られ、体系的にスキルを学ぶことができます。
参加者同士で議論したり、課題を提出したりと、独学では得難い体感的な学びや刺激を獲得できるでしょう。他の参加者や講師との交流があれば、モチベーションにもつながります。また、知識やスキルの獲得に投資することで、学習意欲の向上効果も期待できます。
競合の調査に関しては、自身のリサーチ力が問われます。参入する市場のターゲット層を把握し、そのニーズをつかみましょう。そして、その市場で支持されている会社やブランドを調べ、常に最新の市場状況に触れておきたいです。
アンケート調査や競合先への訪問などもおこない、独自で情報をつかむことも重要となります。トレンド傾向も踏まえながら最新情報と独自情報を組み合わせて、競合にはないオリジナル性を高めるとよいでしょう。
起業に向けて実際に動くとなると、どのような段階を踏めばよいのでしょうか。ここからは、起業するために必要なことを6ステップに分けて詳しくお伝えします。
起業に対してのイメージがぼんやりとしている場合は、そのイメージを固める必要があります。趣味や副業の範囲を超えて事業として成立させるには、アイデアをまとめて明確化しましょう。
そのためには、なぜ起業するのかを改めて認識することが大切です。趣味でも副業でもなくビジネスとして始動させる理由を明らかにしたうえで、参入する市場、起業のジャンルや形態を掘り下げて整理します。
自分のなかで思っていたことを文章にして整理すると、従業員に周知する際にも役立ちます。共有資料として使えるくらいに細かく正確にアイデアをまとめていくと、事業のスタイルを可視化しやすくなります。
起業を進めるにあたり、どのような形態を選ぶかは重要になります。主な企業形態は以下の4つです。
株式会社 | 出資者と経営者が異なる会社で、7割以上を占める代表的な形態です。他の形態に比べて認知度・信用度が高いものの、設立費用が最低20万円必要で、毎年の決算公告が義務付けられています。 |
合同会社 | 出資者と経営者が同一で、出資した全社員に会社の決定権があります。10万円程度の費用で設立可能ですが、株式会社よりも社会的知名度・信用度は劣ります。 |
合資会社 | 経営にも携わる無限責任社員と出資するだけの有限責任社員で成立し、最低2名以上の出資者が必要です。設立費用は安く抑えられますが、倒産時に無限責任社員の負担が大きくなる恐れがあります。 |
合名会社 | 出資者全員が無限責任社員となる形態で、複数の個人事業主たちが集まって形成される会社のようなイメージです。設立のハードルが低く費用が安いのはメリットですが、社員全員が無限責任であるため債務も全員で背負うことになります。 |
メリット・デメリットを総合的に見て、自分の事業に合う形態を選びましょう。
起業のプランが固まってきたら、事業計画書を作成してみましょう。事業計画書とは、創業の動機や目的、資金の調達方法、将来的な売上や利益の見込み、戦略などを記載したものです。事業の立ち上げでは資金の調達が必要になるため、投資家や金融機関などに具体的なプランを伝える際に有効なツールとして活躍します。
金融機関の融資担当者が注目するのは、創業者の経験だといいます。過去の経験が事業と関わっているかどうかを重視する傾向があるため、これまでのキャリアとの関連性を印象づけるとよいでしょう。
起業では必要になるものといえば、会社の4大経営資源と呼ばれる「ヒト・モノ・カネ・情報」です。
ヒト | 4大経営資源のなかで最も重要とされます。他の経営資源を動かすポジションであり、ヒトがカネを動かし、モノをつくり、情報を集めます。 |
モノ | 会社が持つ物理的な資源です。土地や工場、社用車、パソコンのソフトウェアなども含まれます。 |
カネ | 会社の運営資金です。ヒトやモノ、情報を揃えるために欠かせない資源となります。現金以外にも、借入金や債券、株式なども含みます。 |
情報 | 顧客情報や市場の動向、特許、著作権、技術、データなどの無形財産を指します。形はなくても価値があるため、売却もできます。 |
起業にはいずれも欠かせないため、無理のない範囲でバランスよく準備しましょう。
起業に必要な準備が整ったら、法務局で法人登記(会社設立登記)をおこないましょう。法人登記をおこなわなければ、法人としての公示力や公信力が認められず、取引が困難となります。事業の利益が大きくなるほど、法人化による節税効果も期待できるでしょう。
また、税務署に法人設立届出書を提出します。定められた様式があるため、税務署に取りに行くか、国税庁のWEBサイトからダウンロードしてください。
法人設立届出書の提出期限は、設立登記の日から2ヶ月以内です。期限が過ぎてしまわないように気をつけましょう。
起業の手続きまで完了したら、いよいよ事業のスタートです。事業計画書に基づき、商品やサービスを展開させましょう。
事業の安定的な継続には、集客に専念したり、状況に応じて従業員の数を調整したりと、さまざまな手腕が問われます。これまで培った知識やスキルを駆使して、事業の成長につなげましょう。
起業にはとても多くの知識やスキルが求められます。各専門分野の知識を深める必要があり、簡単に身につけるのは難しいです。独学だけですべてをカバーするのは骨が折れるため、効率的に学べるように講座やセミナーに参加することをおすすめします。
また、競合と戦うための市場調査や分析なども専門的なスキルが求められます。大変ではありますが、将来的に市場でシェアを握るために不可欠なスキルとなるでしょう。
今後の業務において外せない知識はしっかりと学ぶべきですが、創業融資の手続きをはじめとするお金に関する対応は、プロの手を利用して事業に専念したいところです。まずは、千代田税理士法人までご相談ください。補助金や助成金など地元特有の情報も盛り込みながら、丁寧にお答えします。
起業に際して、特に必要な資格はありません。無資格でも問題なく起業できますが、さまざまな場面で専門的な知識やスキルが求められます。プロに頼れる場面は効率的に利用して事業に費やす時間を確保したほうがよいでしょう。各分野で無料相談できるサービスが用意されているので、サービスを取捨選択することをおすすめします。
起業において必要な知識やスキルは先述の通り14種あります。経理や財務、法務・契約手続き、労務・人事、事業の専門知識、マーケティング、営業、コミュニケーション、マネジメント、マインドセットなど非常に幅広い分野にわたります。
短期間ですべてをマスターするのは非現実的なので、これまでの経験を生かしながら一つずつ着実に学びを深めていきましょう。