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「起業したいけど、失敗したときのリスクが怖い」「どうすればリスクを回避できるの?」など起業に関する失敗の恐れや疑問は尽きないかと思います。
起業のリスクは避けられない問題です。しかし、事前にリスクと回避のポイントを知っておくことで、リスクを低下させられます。
本記事では、多くの起業家の方をサポートしている千代田税理士法人が、起業時のリスクとリスク回避のポイントなどリスクマネジメントに関する情報を解説します。
これから起業したい、事業で失敗したくない方にとって有益な情報を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
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目次
起業には多くのメリットがあります。ここでは代表的なメリットを3つに絞り紹介します。
どれも会社員では得られないメリットですので、一つひとつ見ていきましょう。
自分のやりたいことができる点は、起業のメリットの一つです。会社員であれば、上からの命令や会社の方針などで「本当はこうしたほうが良いのにできない」「自分が活躍できるのは営業ではなく管理部門だ」といった不満が生じることもあります。
起業すると、会社の事業内容から経営方針、どこにどのリソースを使うかなどを自由に選択できます。自分のやりたいこと、向いていることを中心に事業を展開すれば、楽しいと思える仕事をしつつ会社員時代より多くの収入を得るのも夢ではありません。
会社員は、会社や業種ごとにおおよその生涯年収が決まっています。昇進の度合いで、多少の違いが生じるだけです。
その点、起業すると収入の上限がなくなり、事業での収入が増えれば増えるほど自分の収入を上げられます。ただし会社を設立した場合、会社のお金を自分のものとして使うことはできません。自分個人への収入は役員報酬となり、定款という会社のルールや、株主総会で決めた額しか得られないため注意しましょう。
法人にかかる法人税は、利益が一定の水準を超えると、同じ利益を出した場合の所得税より少なくなります。
法人であれば経費にできる種類が増え、赤字を10年間繰り越せるなど節税に関するテクニックが多く使用可能になることも特徴です。
ただし、行き過ぎた経費計上や本来のルールから外れたものは節税ではなく脱税となり、刑事罰の対象になる危険があります。節税は必ず税理士など専門家に相談してからおこないましょう。
参考:No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除|国税庁
起業は、会社員と比べリスクが大きいです。失敗すると借金を抱えるだけでなく、家庭の問題が起きたり、体調不良になったりするリスクもあります。
しかしリターンも大きく、会社員では得られない年収を実現したり、ノウハウを蓄積してブランドを築けたりする可能性もあります。重要なのはどのようなリスクがあるかを知り、正しい対処法を事前に準備しておくことです。
安定した給料がもらえれば満足、仕事を頑張りたくない、責任の重い役職につきたくない、リスクは最小限に生活をしていきたいという人は起業に向きません。
起業はするだけでお金がかかり、スタートアップ時は会社員時代よりも多忙になります。それでもチャレンジしたい、好きなことを仕事にしたい人は、次の項目で起業のリスクを理解しておきましょう。
まずは知っておくべき起業のリスクを一覧で見ていきましょう。ここでは「お金」「プライベート」「従業員」それぞれに関わるリスクを紹介します。
お金に関わるリスク | 起業時に費用がかかる |
事業の維持に費用がかかる | |
資金が不足することもある | |
負債を負う可能性がある | |
プライベートに関わるリスク | ストレスを受けやすい |
プライベートと仕事が混合しやすい | |
健康管理が難しい | |
従業員に関わるリスク | 個人情報が漏れる可能性がある |
職場内トラブルが起こる可能性がある | |
従業員の雇用を維持する必要がある |
上記のように、起業には多くのリスクが伴います。一見しただけではわかりにくい部分もあるかと思いますので、次の項目からそれぞれのリスクを詳しく解説します。
まずはお金に関わるリスクを見ていきましょう。
お金については具体的に数字を出せるため、計画と実情のずれがどれだけあるかの判断ができます。起こりうるリスクの金額に着目しましょう。
株式会社を設立するには、25万円程度の費用が必要になります。これは、資本金を抜きにして会社を法人として登録するために必要な金額です。
実際はこの25万円にプラスして資本金、機材費用、人件費などがかかります。事務所用にビルの一室やマンションの一室を借りる場合は、家賃のほかに敷金・礼金が発生する場合もあります。起業時は何かとお金がかかるため、事前に金額のシミュレーションが必要です。
事業の維持に費用がかかる点にも注意が必要です。事務所があれば家賃や光熱費がかかり、Web関係の事業であればサーバー代や画像サイト代など、多くのランニングコストがかかります。
赤字になったとしても法人住民税は毎年7万円かかります。また、融資を受けた場合は返済額と金利、従業員を雇っている場合は給与と雇用保険など、規模が大きくなればなるほど維持費がかかることを覚えておきましょう。
報酬の支払いに時間がかかる場合も、手元の資金が不足する可能性があります。資金不足にならないためには、現金のみを扱い、お金の流れを見るキャッシュ・フロー経営がおすすめです。起業したてのスタートアップ時期はお金の出入りを明確化すると、思わぬ資金不足により事業がストップするリスクを減らせます。
融資を受けて起業すると、事業を畳んでも負債が残る危険があります。業種によっては事業に必要な機材が高額で、融資を前提として会社を運営していくケースがあるためです。
基本的には小さく始めることが重要で、可能な限り手元の自己資金のみで運用できる範囲での事業をおすすめします。融資が必要な際も、可能な限り設備投資の費用を抑えて起業しましょう。また、万が一会社を畳む場合もお金がかかる点に注意が必要です。
法人が廃業・解散する場合は、手続きの費用として4〜5万円かかる場合が多いです。さらに、雇用保険廃止の手続きなどもあり、司法書士や税理士に依頼することになるため、プラスで報酬の費用が必要になります。
最悪の場合、任意整理や自己破産などの債務整理をおこなうことで生活は維持できますが、負債に関するリスクは最小限にし会社を経営しましょう。
プライベートに関わるリスクとは、起業した本人に関係するリスクです。
このようなリスクを管理できなければ、事業の継続が不可能になります。
起業をすると、会社員時代では考えられないほど多くのストレスに晒されます。クライアントとのトラブルや生活リズムの変化、勤務時間が増え睡眠時間が減るなどストレスによるダメージが増えやすいのも特徴の一つです。
過度なストレスは健康を崩す原因になります。メンタルヘルスと身体の健康を第一に考え、会社を運営していくことが重要です。事前にストレス解消法や相談先などを見つけたうえでの起業をおすすめします。
起業直後は多忙になり、プライベートの時間は削られます。クライアントとの付き合いで食事をしたり、家に帰ってからも事業についてや客先に連絡したり、ほぼ仕事のことばかりの一日もあるでしょう。
そのため、パートナーやお子さんがいる場合は、家庭の時間を取れず家族関係を悪化させてしまうケースもあります。一時的に収入が減ることや、休日返上で働き続けることがあるため家族の理解が必要不可欠です。事前によく話し合って、理解を求めることが重要です。
業務が忙しくなると睡眠時間を削って仕事に取り組むことも少なくありません。また、多忙になると食生活まで意識が回らなくなることもあるでしょう。
このように、健康管理が愚かになった状態で無理をし続けると、栄養失調や体調不良に陥るケースも考えられます。
特に従業員が少ない場合や、社長がいないとプロジェクトが進まない案件などを抱えている場合は致命傷になります。日頃から食事・睡眠・運動は十分に取り、健康第一で仕事に向かいましょう。
次に従業員に関わるリスクについて見ていきましょう。
従業員に関わるリスクは規模が大きくなり、人数が増えるほど多くなるため注意が必要です。
個人情報の漏洩は大企業でも頭を悩ませるリスクです。すべての事業者には個人情報保護法が適用され、従業員の個人情報が漏れてしまうと1年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑になる可能性があります。
また、個人情報が流出すると本人に被害があるだけでなく、会社の信頼の失墜にも繋がるため、情報セキュリティの強化や利用目的を明確にしたうえで保管・運用することが重要です。
人間関係はお金の流れのようにシンプルなものではありません。社長と従業員のトラブルとしては給与や労働時間、経営方針などの意見が合わないトラブルが発生する可能性があります。
また、従業員同士のトラブルもよくある話です。上司や同僚とそりが合わないなど、些細な理由でトラブルは発生します。普段から従業員とコミュニケーションを取ることはもちろん、マネジメントや心理学の知識を必要とする場面もあります。
一度従業員を雇用すると、業績不振や倒産など特別な理由がない限り一方的な解雇はできません。言い換えれば、給料分のコストはかかり続けます。
企業と従業員のミスマッチを避けるために、近年では業務委託から会社と関わりを持ってもらう、試用期間を設けて会社にとって有益な人材であるかを見極めるなど工夫が必要になります。試用期間であっても、解雇には勤怠実績が芳しくないなど社会通念条相当だと認められる理由が必要な点には注意しましょう。
先述した通り、起業のリスクは多くあります。ここでは、そのリスクを回避するためのポイントを4つ解説します。
上記の回避方法を実施するだけで、失敗の可能性を下げられるのでお試しください。
起業のリスクを回避するうえで、もっとも重要なポイントは事業・資金の計画を事前に綿密に立てておくことです。不透明なまま融資を受け事業をスタートしてしまうと、思ったほど収益が上がらないときに金銭的・精神的負担が大きくなります。
事前に基礎部分を学び何にどれだけお金がかかるのか、どのような見通しで事業を拡大させるのかなどの計画を立てておきましょう。
しかし、初めての起業では不明な点も多くあるかと思います。実際に事業をおこないながら学ぶことも多いため、周囲に起業した人がいれば事前に質問しておくことが重要です。また、税理士であれば多くのケースに通じているため、社長の右腕となる場合もあります。
余談ですが、事業計画が綿密であるほど融資を受けやすくなります。リスク回避と事業拡大の可能性を秘めた一石二鳥の策ですので、起業前に一度細かい部分まで計算してみましょう。
前もって起こりうるリスクを知っておくことは、リスク回避するために重要です。事前にどのようなトラブルが起きるかを予測できれば、回避方法もわかります。
起業に関するリスクの多くは、すでに起業した社長が経験しているものが多いです。リスクマネジメントのためにも、成功事例だけでなく多くの失敗事例を見ておくことをおすすめします。近年では大手企業のノウハウを書籍化したものも多く出版されています。
初期投資はできるだけ少なく抑えることがポイントです。可能であれば、自己資金のみで始められる事業をおすすめします。
最初から大規模なビジネス展開をしてしまうと、その分多くの融資や従業員数が必要となり、失敗したときのリスクが大きくなります。リスクを減らすには、最初はスモールビジネスから始め、段階的に大きくしていき収益が多くなったタイミングで機材を導入、事業拡大するといった現実的なプランが有効です。
先述した通り、事業にはリスクが多く存在します。いきなり不安定な状態からスタートするよりも、金銭的にも精神的にも負担が軽い副業として起業することをおすすめします。本業で安定した収入を得ながら事業に必要な基礎知識を学べるからです。例えば、確定申告などは起業後も役立つスキルになります。
起業には多くのリスクが伴います。起業時や事業を運営していくランニングコストなどお金に関するリスクや、家族や健康管理などプライベートに関するリスク、雇用や人間関係の問題など従業員に関わるリスクなど多種多様です。
しかし、いずれのリスクも事前に知識を持ち、回避方法を定めておくことでリスクマネジメントが可能です。リスクを最小限に事業を開始できれば、自分のやりたいことをやりつつ高収入になることも夢ではありません。
会社の経営方針や税金など専門的な部分は独学では難しい面もあります。困難に直面した際は千代田税理士法人へご相談ください。
千代田税理士法人では税務に関するお悩みはもちろん、会社設立から経営拡大支援まで幅広くサポートさせていただきます。資金調達に関するお悩みや業務効率化、会社の管理体制など経営全般に関するサポートもおこなっており、起業する方のパートナーとして多くご活用いただいております。
これから起業したい、しかしリスクは最小限にしたいとお考えの方は、ぜひ千代田税理士事務所の無料相談にてご相談ください。
一概には言えませんが、一般的には「自分で判断したい人」「ビジョンや事業計画を明確に立てて実行できる人」「自ら学び改善し続けられる人」が起業に向いていると言われます。
反対に、起業に向いていない人は「行動するまで時間がかかる」「他人のせいにしてしまう」「現状維持で安定した生活を求めている」人です。
「中小企業白書2017」によると、起業後5年間継続して事業を続けられている会社は81.7%とのことです。帝国データバンクの情報であるため、ある程度大きな規模の会社になりますが、高い割合と言えます。
正しいリスク回避をおこない、小さく始めることで成功率を上げられるため、今回紹介したリスクを基にリスク回避の方法を実践していきましょう。