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神社の税金はどうなる?非課税と課税の基礎と実務ポイントをわかりやすく解説

2025
11/26
神社の税金はどうなる?非課税と課税の基礎と実務ポイントをわかりやすく解説
2025年11月26日
神社の税金はどうなる?非課税と課税の基礎と実務ポイントをわかりやすく解説

「お賽銭やお守りは非課税って聞くけれど、本当? 駐車場や会場貸しは課税?」神社の収入は宗教活動と収益事業で扱いが変わります。

本記事では、非課税と課税の線引き、税目ごとの注意点、インボイス・電子帳簿保存法への対応までわかりやすく解説します。初めての方でも全体像がつかめる内容です。

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神社の税金の基本

宗教法人は公益性の高い宗教活動を主目的とするため、宗教活動に伴う収入は原則として法人税の対象外です。一方で、一般市場と競合するような事業を継続して行い、利益を得ている場合は収益事業とみなされ、その部分に限って課税されます。

ポイントは「活動の目的」と「社会一般との競合の有無」。宗教性の強い儀式・授与・喜捨は非課税、一般的な物販・貸付・役務提供は課税の可能性が高くなります。

「宗教活動収入」と「収益事業収入」の考え方

  • 宗教活動収入:祭事・祈祷・授与など信仰行為に基づく収入。宗教行為と不可分で、信者の喜捨(寄付)性が強い。
  • 収益事業収入:物品販売、施設の有料貸出、駐車場、飲食提供など、宗教行為と切り離せる経済活動。区分経理が必須になります。

お賽銭やお守りは“売上”ではない

お賽銭・初穂料・玉串料・祈祷料、授与所でのお守り・お札・おみくじは、信仰に基づく喜捨・宗教行為として扱われ、原則非課税です。価格表のように見える表示があっても、対価性が強すぎない限りは喜捨として整理されます。

一方、カレンダーや土産物など宗教性の薄い物販は、収益事業として課税対象になりやすい点に注意しましょう。

非課税と課税の線引き

神社の収入には、宗教活動によるものと、それ以外の収益事業によるものがあります。見た目には似たような取引でも、宗教行為とみなされるかどうかで課税の有無が変わります。

ここでは、非課税となる代表的な収入と、課税対象になりやすいケースを具体的に見ていきましょう。

非課税の代表例

  • お賽銭、初穂料、玉串料、祈祷料、御朱印(※宗教行為の一環として)
  • お守り・お札・おみくじなどの授与
  • 神前挙式そのもの(宗教儀式部分)

いずれも宗教行為と不可分であり、喜捨性・信仰性が認められるものです。

課税になりやすい例

  • 駐車場収入(時間貸し・月極など)
  • 会場・敷地の有料貸出(披露宴会場、撮影スタジオ利用等)
  • 飲食・物販(カレンダー、土産、食品、写真集 等)
  • 宿坊の提供(一定水準以上の料金設定や継続性がある場合)
  • 体験イベント・講座(宗教行為から独立した技能教授・有料ワークショップ等)

判断で迷う場合は、「宗教行為と不可分か」「一般市場と競合するか」を基準に内部メモで根拠を残すと、税務調査時の説明がスムーズです。

法人税や消費税など、税目別の取り扱い

神社には法人税や消費税、印紙税、固定資産税など、複数の税目が関係します。どの税金が非課税で、どの税金が対象になるのかを正しく理解しておくことが、日々の会計処理をスムーズにするポイントです。

ここでは、それぞれの税目ごとの基本的な考え方と注意点を解説します。

法人税:収益事業のみ課税・区分経理は必須

宗教活動収入は法人税の課税対象外ですが、収益事業部分のみ課税されます。

実務では、授与(非課税)と物販(課税)が混在しやすいため、部門・勘定科目・取引先・商品コードで区分経理を徹底。決算前に原価配賦の妥当性もチェックしましょう。

消費税:非課税・課税の切り分けとよくある落とし穴

宗教法人が行う祈祷料や初穂料、お守りなどの授与といった宗教活動に関する収入は、一般的に非課税取引として扱われます。

一方で、神社が駐車場を運営したり、会場を貸し出したり、飲食や物販を行う場合には、これらは宗教行為とは独立した課税取引にあたります。

また、現時点で免税事業者であっても、将来的に収益事業が拡大した場合には課税事業者を選択すべきかどうかを検討する必要があります。

特に、駐車場や貸会場などの売上が増えてきた場合は、年度ごとに課税売上高の見通しを立て、早めに対応方針を決めておくと安心です。

印紙税:契約書は課税・領収書は非課税の原則

不動産の賃貸借契約や金銭消費貸借契約など、契約書には印紙税がかかることがあります。

一方、領収書は非課税が原則です。収益事業の契約周りは、押印前に文書区分と金額に応じた印紙の要否を確認しましょう。

固定資産税・都市計画税:非課税対象と課税対象の違い

礼拝施設や宗教活動に供される資産は非課税となる場合がある一方、収益事業に供する土地建物・設備は課税が基本です。

用途の変更や兼用時は、面積・時間・使用実績に基づく合理的な按分資料を整えておくと安心です。

インボイス制度・電子帳簿保存法について

近年は、宗教法人でもインボイス制度や電子帳簿保存法への対応が求められています。

非課税取引が多い神社でも、収益事業を行っている場合には請求書の発行やデータ保存の義務が発生することがあります。ここでは、実務上の対応ポイントや判断の目安を整理します。

祈祷料・初穂料はインボイス不要?課税取引の請求書対応は?

宗教行為(非課税取引)についてはインボイスの交付義務はありません。

一方で、課税取引(駐車場、貸室、物販等)では、課税事業者であれば適格請求書(インボイス)の交付が必要です。授与所や会計窓口が複数ある場合は、番号・但し書き・税率表示の統一ルールを設けましょう。

免税から課税事業者を選ぶ判断軸

  • 課税売上高の増加(駐車場・貸室・物販の拡大)
  • 仕入税額控除のメリット(改修・増築・什器更新が多い時期)
  • 取引先(企業・旅行代理店・撮影会社等)からのインボイス要請

年度ごとに収益事業の計画と投資予定を踏まえ、選択時期とメリットを試算しましょう。

電子帳簿保存法:領収書・契約書・データ保存のポイント

  • スキャナ保存(領収書・請求書):解像度・タイムスタンプ・検索要件を満たす運用設計が必要
  • 電子取引データ:メール添付の請求書やEC明細は電子のまま保存(紙出力のみは不可)
  • 検索要件(取引先名・日付・金額)を満たすよう、ファイル名ルールや仕訳連携を整えましょう。

宗教活動と収益事業でフォルダ階層を分けると、調査時の説明が容易です。

まとめ

神社の税務は、宗教活動か収益事業かの線引きと、税目ごとの整理が出発点です。

日々の運用では、区分経理・証憑管理・インボイス/電帳法対応を早めに整えることで、税務調査への備えにもつながります。迷ったときは、実態に即した判断基準を一緒に作ることが近道です。

神社の税金に関するよくある質問

実際のご相談では、「この収入は課税?」「免税事業者のままでいい?」など、判断に迷うケースが多くあります。

ここでは、特に質問の多いテーマを取り上げ、実務での考え方を解説します。

高額な初穂料は非課税?寄附との違いは?

宗教行為に対する喜捨としての性格が明確であれば、金額の多寡にかかわらず原則非課税です。

対価性が強くならないよう、提供する役務の内容・表示には注意しましょう。心付けの位置づけや社内マニュアルの文言を整えると安全です。

免税事業者のままでよいか迷ったときの目安は?

  • 課税取引(駐車場・貸室・物販)が年々増えている
  • 仕入税額控除のメリットが見込める投資がある
  • 取引先からインボイス発行を求められることが増えた

これらが当てはまる場合、課税事業者選択の試算をおすすめします。授与(非課税)との混在があるため、課税売上割合や共通仕入の按分も併せて検討します。

奉賛会費・氏子会費の取り扱いは?

一般に、会の目的が宗教活動の支援であり、対価関係の強い特典がない場合は寄附金的性格として扱われやすい項目です。

会報や記念品など対価性のある給付が大きいと整理が変わる可能性があるため、規約・案内文・実態を踏まえて慎重に判断します。

宗教法人の税務に関する相談は千代田税理士法人へ

千代田税理士法人では、初回無料相談を行っています。ご相談では、収益事業に該当する取引があるかどうか、区分経理の方法、消費税やインボイス制度、電子帳簿保存法への対応状況などを短時間で確認いたします。

また、実際の現場運用に合わせて、勘定科目や帳簿の書式、会計フローの整備までを一貫してサポートいたします。神社ごとに運営体制や行事の形態は異なるため、実務に沿った形で運用できるよう丁寧に設計していくのが特徴です。

まずは無料相談できる千代田税理士法人へお気軽にお問合せください。

市邉 隆志

このコラムを監修した税理士

市邉 隆志


千代田税理士法人代表。 会計税務は専門分野としてもちろんのこと、多種多様なご相談に応えていくためには、所員に長く勤めてもらい、教育と経験を積み重ねて行く事が常に必要とされます。 私たちはお客様にとっての日本一の会計事務所になるために、離職率ゼロを目標ともしています。 当社に安心して任せてください。 お客様にとっての日本一のサービスを提供し続けていきます。

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